イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

3月23日(月):品性

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【それは、艱難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。】(ローマ書5:3~4節)

『アラカン』と言えば、昔の人は嵐寛十郎だろうが、今一人アラカンと呼ばれた人がいる。荒畑寒村である。社会主義者労働運動家で勇名をはせた。後年、朝日新聞の【朝日賞]を受けた。おおよそ、その人となりが分かるというものであろう。・・・その人が述懐していたことであるが、自分の家内は、私より数等倍≪品性≫の優れた女性である。そうこの老革命家がしみじみと語っておられた。・・・その奥様は、苦界、吉原の出であることは大抵の人は知っていた。・・・品性という言葉を辞書で調べて見てもあまり意味がない。・・・聖書的にみるならば、「艱難が忍耐を生み」その忍耐から醸し出される人格、それが練られた品性であるというのである。・・・八木重吉の妻とみ子夫人の晩年近い写真を見たことがある。若くして夫に先立たれ、やがて、桃子、陽二と相次いで二人の子を結核で失った。その辛さを思うとき言葉を失う。しかし、とみ子夫人の写真での佇(たたずまい)まいは、どこぞのお上品なおばあちゃまと見えた。その半生を想うとき私は逆に慰めさえ覚えてしまうのである。

・・・神よ、まことに、あなたは私たちを調べ銀を製錬するように、私たちを練られました。(詩編66篇。)

「練られた品性は希望を生み出す」と書かれている。キリスト者ににとって品性は欠かすことの出来ない特性なのであろう。

(イミタチオ・クリステイ・2009・9月号掲載)

 

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            重吉の詩

          みんな寝ている

          妻も 桃子も 陽二も

        みんな ぐったり疲れて 寝ている

          私はそれを見て勇気が出た 

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