「死の淵より」。ケネディの本を探していたら、高見順の詩集が出てきた。奇妙なことに詩篇を読みながら、2・3日前に朝のデボーションでこの本の話をした。詩編130;1.
主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。
天竜川で川下りの舟が転覆して5名の命が淵に沈んだ。淵というのは緑色の水が流れる、深くて恐ろしいところである。詩人も私たちもそこから、主を呼び求める。この小説家は癌になって、この詩集を書いた。
みつめる
犬が飼い主をみつめる
ひたむきな眼を思う
僕の目に涙が浮かぶ
深夜の病室で
僕も眼をすえて
何かをみつめる。
・・・・
心の部屋
一生の間
一度も開かれなかった
とざされたままの部屋がある
おれの心のなかにある
今こそそれを開くときが来た
いや やはりそのままにしておこう
その部屋におれはおれを隠してきたのだ。
・・・・
執着
ハナクソを丸めていると
なかなかこれが捨てられぬ
なんとなく取っておいた手紙のように
このつまらぬものが
生への執着のように捨てがたい。
☆☆☆
イミタチにこの原稿を載せたら、鷲津メリーさんから、お便りがあった。高見とは親戚筋にあたるそうで、うれしかったとかいていた。愛知県碧南市でお世話になった。ここ何年も電話もしていない。もう齢90を超えておられるはず。下手に電話して・・・もう、お亡くなりになりました・・・という返事を聞くのが辛いので、御国での再会を夢見ている・・・画家の方で
優しい絵を描いていました。何度かイミタチににも載せた。
ネットを検索したら93歳。ご存命であることを知る。感謝。