イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

6月9日(火):主が与え、主が取られる

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《主が与え、主が取られる。主の御名はほむべきかな》・・

                    ヨブ記1章21節

禁じられた遊び」。1951年のフランス映画。私も一度観たきりなので、正確なあらすじなど忘れてしまったが、先の大戦の終了間際、多くの人々が戦火を逃れるため、故郷を離れた。難民となったのである。そんなある一家に、まだ幼い女の子供がいた。逃走のの途中、その家族に親にはぐれ、多分孤児になった同い年位の男の子が、加わった。子供たちは仲良しになり、一緒に遊びながら旅を続けた。しかし、孤児になった子は孤児院に引き取られることなった。子供たちの無邪気な遊びは、中断され、終了され、「禁じられた遊び」になった。・・・・・

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何せ、半世紀以上前に観た映画の記憶なので、違っていたら、許してたもれ・・・・

元々は、ギターの練習曲として使われていたこの曲は、禁じられた遊びの主題曲になり、一躍有名になってしまった。そのどこかもの悲しい曲の響きが、映画のテーマとあいまって戦争の空しさを訴える。・・・・・・

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2008年12月7日。カナダから来られた、ハンス長老が、大館ルーテル教会で、証しをされた。私はそのお話を聞きながら、この「禁じられた遊び」の映画の場面がしきりに思い浮かんできた。フランスとドイツという違いこそあれ、ハンス長老の御一家も同じような経験をされたようである。・・・・・

ハンス長老の家は、ドイツの東部、ポーランドの国境近くにあったという。少し歴史を学んだ者なら、「あぁ~」と思わざるを得ない。戦争が始まり、戦争が終わる度に国境線が変わるのである。それは、よく知られているように、フランスの国さかいでもそうである。祖父がフランス国籍で、父がドイツ人、その子がまたフランス国籍である、というまことに奇妙な事がおこるのである。・・・・・・

戦火が収まって、御一家が故郷へ帰ると、ポーランド人がやって来て、「ここは、我々の土地、我々の家」と言って、あらゆるものを奪い取った。歴史は繰り返されて来たとは言え、幼かったハンス長老には理解できることではなかった。「何故、こんなことがおこるの」と問いただす子に、父親は語ったとハンスは記憶していた。

  【主が与え、主が取られる。主の御名はほむべきかな】

その後、ハンスの御一家は移民としてアメリカ、カナダに

渡られた。しかし、その家にさらに苦難が続いた。・・・・

御一家はカナダに渡り、ハンスも成長し、結婚もし、牧場を買うことも事も出来た。そんなハンスに、不幸が見舞った。盗人が家に入り、火を放って逃げたのである。・・・・・・・

【主が与え、主が取られる。主の御名はほむべきかな】

遠い昔にハンスの父は、子たちに語って諭した。その信仰深い父の信仰が、お子たち、ハンスにも祝福となって、引き継がれていたのであろう。私たちの教会の講壇で、父と同じように語って、主に栄光を帰した。

  【主が与え、主が取られる。主の御名は歩むべきかな】

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