イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

7月29日(水):瞬きの詩人

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      ・・・こんな美しい朝に・・・

空には

夜明けとともに

雲雀が鳴きだし

野辺には

つゆに濡れてすみれが咲き匂う

 

こんな美しい朝に

こんな美しい朝に

  

主イエス様は

墓の中から

出てこられたのだろう

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瞬き(まばたき)の詩人。水野源三の詩

1946年(昭和21年)。長野県坂城町に集団赤痢が発生した

丁度昨今のコロナウイルスのようなものである。小学4年生の、源三少年はその赤痢に罹患し、一命はとりとめたものの、後遺症により重度の障害者となった。寝たきりの状態になり、人との意思の疎通は、瞬き以外方法は残されなかった。そんな水野家に地元出身の牧師が一冊の聖書をおいて行った。

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その牧師自身も、すでに、進行性筋委縮症にかかっていたが、杖を突きながらも伝道を続け、源三も心を開いていった。1950年12月、源三は洗礼を受けた。以後彼の性格は一変した、これまで投げやりだった性格が、福音を受け入れることで、新しくされたのである。

それから、源三の詩作が始まった。

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   ・・・・・しゃべれない書けない・・・・

私の

まばたきを見て一字一字拾って

詩を書いてもらう

 

一つの詩を書くのに

十分 二十分 三十分

義妹の愛と忍耐によって

一つ二つ三つの詩が生まれる

 

神様に愛されて

生かされている

喜びと感謝を

詩に歌い続ける

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・・・・傷跡・・・・

三十三年間

寝たきりの

私の額には

三つの傷跡がある

その一つ一つの傷跡には

美しい野山を

遊び回った

思い出がある

 

神様が

あたえて下さった

尊い十年間が

 

・・・御言葉・・・

神様

今日もみ言葉をください

一つだけで結構です

 

私の心は

小さいですから

沢山いただいても

溢れてしまい

もったいないので

 

・・・母よありがとう・・・

私の手となり 足となり

悲しみ 苦しみを

一緒にになってくれた

 

源三を み国へ送ってから

ゆきたいと

いつも話していた

 

先にゆくのが

すまないと言って

早春の朝

み国へ召されてしまった

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 今日は眼鏡が壊れてしまったので、これでおしまい。この前修理してもらったばかりなのに・・・・

今日は、クリスチャンなら大抵知っている、水野源三さんの事を書きました。随分前に評判になった詩集(いのちのことば社)から転載させて頂きました。福音に生かされるとは、こういうことなのかなと、改めておもい知らされました。

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