イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

10月30日(金):神田川

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貴方はもう忘れたかしら

赤い手拭マフラーにして

二人で行った横丁の風呂屋

一緒にでようねって言ったのに

いつも私が待たされた

洗い髪が芯まで冷えて

小さな石鹸カタカタ鳴った

貴方は私の体を抱いて

冷たいねと言ったのよ

 

若かったあの頃何も怖くはなかった

ただあなたのやさしさが怖かった

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貴方はもう捨てたかしら

二十四色のクレパス買って

貴方の書いた私の似顔絵

巧く書いてね言ったのに

いつもちっとも似てないの

窓の下には神田川

三畳一間の小さな下宿

貴方は私の指先見つめ

悲しいかときいたのよ

 

若かったあの頃何も怖くなかった

ただ貴方のやさしさが怖かった

 

リンクコード:https://www.uta-net.com/song/1427/

作詞:喜多條正 作曲:南こうせつ

      ☆      ☆       ☆

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1973年(昭和48年)に流行った。南こうせつかぐや姫が歌った。たちまちヒット曲になった。青春時代とか、同棲時代とか流行したのも同じ頃でなかったかと記憶している。いい楽曲には違いなかったが、どこかなじめないものがあった。時代の波が代わろうとしていた。若者の意識も変わろうとしていた。戦後28年目、私もまだ29歳の頃であったから、こうした歌の範疇に入るはずだが、受け入れがたいものあった。・・・・

誰かがこうした流行り唄を、「ちまちまソング」と言っていた。「ちまちま」と言う言葉を辞書で調べると。「こじんまりまとまっている」と書いてある。なるほどと思った。今の若者はこじんまりまとまっているのだ。

それにとても器用なのである。少なくとも私などよりあらゆる面で、器用に生きようとしている、生きているように思えてならなかった。・・・

こじんまりまとまった世界が、今に生きる者には、しあわせなことになって来ていた。どうやら私は、ひねくれ者の部類に入るようで、『小さな石鹸カタカタ鳴った』と歌われても、「それがどうした」と一言いいたくなってしまうのである。・・・・・・・

『若かったあの頃何も怖くなかった  ただ貴方のやさしさが怖かった』

この小さなしあわせも、やがてはかなく崩れてゆく予感に、ふるえている

女性がいる。・・・・・・・

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昔、誰かの説教の中で聞いた話だが、しあわせすぎる女性がいた。彼女は

他人もうらやむほど幸福な日々であったのだが、そのことが逆に彼女を悩ませた。明日のことは誰にも分からない、今の幸せな境遇がいつまで続くのか、続けられるのか、彼女は悩み始めた。そして彼女はその幸せを失いたくないために、しあわせななままで、死を選んだ。幸せのままで死んでいった最も不幸な女性だった。・・・・・・

青春時代の歌詞にもこういうのがあった。

『二人はもはや美しい

季節を生きてしまったか

あなたは少女の時を過ぎ

愛に悲しむ人になる』

 

こんなところで聖書をひもとくのは、気が引けるがやはり、伝道者の言葉に耳を傾けなばならない。『空の空。全ては空』であると伝道者は語る。

それ故、私たちはイエスのお言葉に耳を傾けねばならない。八木重吉が書いている。「イエス・キリストが嘘を言うはずがない」と・・・・・

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