誰かに世界で一番読まれている本は？。聞いてみても大抵に人が「聖書」と答えるでしょう。聖書と共によく読まれている本は？。と再質問すれば
英国あたりでは、ジョン・バンヤンが書いた「天路歴程」との答えが返ってくるでしょう。・・・・・・・
ジョン・バンヤンは、１６２８年イギリス中部にある小さなエルストウ村で誕生しました。父は貧しい鋳掛屋（鍋・釜などの修理屋）だったため、
小学校の勉強さえあまりさせてもらえず、それでも無学な餓鬼大将で通っていました。このように腕白な少年時代を過ごした彼も、時々ささいないたずらをした後で、激しい罪悪感を覚えることもありました。・・・・
求道心・・その頃はのイギリスは清教徒（ピュウリタン）が政治力をもっていました。１６４４年に内戦が起り、バンヤンも政府軍に入隊して戦いました。翌年には勝利のうちに軍隊は解散となりましたので、家に帰り、しばらくしてから、信仰心の篤いつつましい女性と結婚しました。この妻は、自分の父の形見として聖書と信仰書の二冊を持って来ました。それで、彼はこの書物を熱心に読むうちに求道心が起り始めました。国教会に出て信仰生活に精進しましたので、いつの間にか「イギリスでは私ほど神に喜ばれる人はいないだろう」と自負する有様でした。・・・・・
ある日、彼は鋳掛屋の仕事をしながら、ベッドフオードの町を歩いていると、女たちが数人立ち話をしているのを耳にしました。それは生まれながらの人間は、いかに惨めな者であるとか、新生するということはどんなに素晴らしい喜びであるかとか、魂のうちにある神の平安とか言うことでした。外面ばかり考えていたバンヤンにとって、これは新しい話でした。
それでもう一度真剣に聖書を読み、またその頃知り合ったバプテスト教会のギフォドという人からいろいろ教えを受けました。自分の内側が神の光に照らされたとき、あまりにも醜いのに気づかされて大変嘆きました。
「こんな罪深い人間としてうまれるよりも、あの枝の小鳥か、池の蛙に生まれていた方が良かった」と思わずにおれませんでした。しかし、遂に主の十字架によって、すべての罪が赦されるのであることがわかりました。
地獄だけが自分のいくべき場所だと思っていたので、救われた喜びは一通りではありませんでした・・・・
バンヤンは、国教会からギフオドのバプテスト教会に属することになりました。それと共に救いの喜びを伝えずにはおられなくなり、人々の求めもあって、教会で説教し始めました。彼の話は実際の経験に裏付けられた上に、深い聖書の理解と共に豊かな想像力が伴い、誰にでもよくわかりました。・・・・・
ところがその頃、清教徒による共和制の政治が崩れ、王政復古の時代になりました。それまでの厳格な清教主義の反動が起り、あちこちで迫害が開始されました。その一つは、国教会以外の聖職者の資格を持たない者が説教することの禁止です。バンヤンはその禁止を破って、逮捕され牢獄の人となりました。もし、説教を二度としないと誓えば赦してやろうと言われても、「私は今日、牢獄から出たら明日から説教する」と主張しました。
これが為に、１２年間も獄中で過ごすことになりました。この間、彼は徹底的に聖書を読み、それと共に十冊余の本を書き、この中に「溢るる恩寵」という優れた著作も生まれました。１６７２年一度釈放されましたが
再逮捕され今度は半年間牢獄で過ごしました。この時に「天路歴程」が書かれました。これらはピユウリタン文学、また英国古典文学の祖とも讃えられています。無学なバンヤンが獄中という逆境の中で、ひたすら聖書を学びこの大いなる働を成し遂げたのです・・・・・・
『み言葉が開けると光を放って、
無学な者に知恵を与えます』
詩篇１１９篇１３０節。
今日は珍しく、一時間ばかり寝坊してしまいました。猫のアルが、起きろ起きろと、律義に騒ぎ立てまして、起こされてしまいました。あいつは時計もっているのかな？・・・私たちがいなくなると、ストーブの前でゆっくりお休みです、奴にも祈りを教えようか・・・ただ飯食わせるわけにもいくまい・・・・
年末年始は、大寒波の予報、大方やってあるが明日から最後の仕上げ、あとはゆるりと冬をすごすことにしよう・・・・
