私が伝道用に発行している小冊子「イミタチオ・クリステイ」の創刊号の編集後記にこう書いた。『聖書に書かれている出来事の多くは何千年、何百年に一度起こるかという大事件である。そこに登場する人々もそうである。ダビデの如き、またパウロのように主に召された聖徒たちは天に輝くきら星のような存在である。私たちは市井に住む者である。いわば、名もなき者たちである。そんな中で私はルツ記を読むとほっとする。ボアズ、ナオミ、ルツ・・・
彼らこそ私たちの隣人である。主は、私たち小さな者だからと言って、その他大勢、十把ひとからげには見られない・・・・
ちいさな籠に花を入れ
寂しい人にあげたなら
部屋にかおり満ちあふれ
くらい胸もはれるでしょう
折り返し
愛のわざは小さくても
神のみ手がはたらいて
なやみのおおい世のひとを
あかるくきよくするでしょう
中野牧師は、この書の講義の中で、「牧歌的」という表現を何度も使った。この書の中に学問的に大切なことがどんなにあったとしても、せめてこの書だけは、その「牧歌的豊かさ」を味わいながら読みたいと思う。