イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

10月4日(月):死刑囚の歌 二首

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母あらば 死ぬ罪犯すことなきと

     知るに尊き 母殺めたり

★私の母が生きていたら、ひもじい思いをぜず、罪を犯すこともなかったろうに、そのたれにとっても「尊き母」を殺めてしまった。罪は限りなく重い。

 

詫びる日の 迫り来し今ふるえつつ

      憶ふことみな 優しかりけり

★刑死の日が近づいてくる。心がうちふるえて來る。しかし、あの人、この人、皆優しく、優しい世界を見せて頂いた。

 

遺愛集をいう歌集を出版したこの歌人は、辞世の歌を一つ遺している。

 

この澄める こころあるとは識らずして

      刑死の明日に 迫る夜温し

 

・・・・島秋人はキリスト者として処刑台に立った。享年33歳。・・・・

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