イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

10月27日(水):お天気おじさん

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エスは言われた『あなたがたは、西に雲が起こるのを見るとすぐに、「にわか雨がくるぞ」と言い、事実そのとおりになります。また南風が吹きだすと、「暑い日になるぞ」と言い、事実そのとおりになります。』

・・・・・・(ルカの福音書12章54~55節)・・・・

朝の祈りを終えると、すぐにその日の予定を話し合う、と言っても大体私が決めてちえ子に申し渡すというのがいつものパターンである。・・・

今日の日程は、特別伝道会の準備も概ね終了したので、先日来休んでいた「薪」運びをすることにした。そこで、祈りの家を出てから、西の空を見上げた。やや、雲が多いが雨にはなるまいと、判断した。そこで、司令官は一人しかいない部下のちえ子に命じた。「8時出発、今日は4往復する、夕方には雨になる。急げ!!!」。

司令官は、あのロシアのバルチック艦隊を撃破した、秋山真之気取りである。「天気晴朗なれど波高し皇国の荒廃はこの一戦にあり、総員奮励努力せよ」という檄文をとばした。・・・・・・・

上手い具合に正男じっちゃんの家に山と積まれている「薪」を予定通り4回運ぶことが出来た。最後に自宅の車庫に着いた途端に雨が降り出した。

「どんなもんだい」と司令官はご満悦。それにしても見事な「薪」の量と、よくこれほど見事に保管していたものだと感心させられた。もう、じっちゃんは自宅へは帰れない。不要になった「薪」を私たちが譲り受けることで話はついている。雪の降る前にこれらを運び込まなければならない。・・・・・・・・

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朝、西の空を見て夕方まで大丈夫(雨にでもなったら、作業は難儀するし、何より「薪」が濡れてしまったら、面倒な事になる。)一件落着と相成った。

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若い頃山登りをしていた。ちょっとした山男であった。登山は、体力勝負だがもっと重要なのは、「天気」を読めることである。空にはいろいろな雲が流れる、その雲が雨をもたらすものか、あるいは嵐の前触れか、その判断ができなければ、山男としては失格である。山の遭難は、大抵天気の読み違えから起こることが多い。

♬ 山男よく聞けよ、娘さんににゃ惚れるなよ。

♬ 娘心はよぉ~、山の天気よ~

 

♬ 娘さんよく聞けよ~ 山男ににゃ惚れるなよ~

♬ 山で吹かれりゃよぉ~ 若後家さんだよ~

 

随分前に、確か岩手の山の中を車で走っていた時、午後のラジオ放送で、

「お天気おじさん」として親しまれていた、倉田厚さんが、回顧談みたいことを話していたのを記憶している。もう、お天気キャスターを辞められてから、ずっと後のことであったが、「自分は、死にたいと思い、死のうとっしたことがある」と言われていた。私はそれを聞いてびっくり仰天した。テレビではいつもニコニコしたお顔だった。そんな人が、そういうことを思ったことがあるなどととても信じられなかった。・・・・・

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「梅一凛一輪ほどのあたたかさ」。いつだったか、誰の句かわからなかったが、お天気おじさんは、この句を出して、気象学者らしい、解説をしていたのを覚えている。「梅の花は、暖かさで咲くのではなく、光の強さによって咲くものだ」と。解説しておられた。この解説には私も「う~ん」とうなってしまった。なるほどそうか。妙に納得したの記憶している。どちらが本当かは分からないが、真実はウメさんに聞くしかあるまい。

お天気おじさんの名言を一つだけ紹介して終わりにしよう。

『やまない雨はない』・・・・・・

もう一つ

『天気予報もあまり正確になると、面白くない』。


晩年は鬱病を患ったことがあると聞いているが、それでもお天気おじさんは、洒脱な人だったのだろう。

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