いつかある日 山で死んだら
ふるい山の友よ 伝えてくれ
母親には 安らかだったと
男らしく死んだと 父親には
伝えてくれ いとしい妻に
俺が帰らなくても 生きて行けと
息子たちに 俺の踏みあとが
ふるさとの岩山に 残っていると
友よ山に 小さなケルンを
積んで墓にしてくれ ピッケル立てて
俺のケルン 美しいフェースに
朝の陽が輝く 広いテラス
友に贈る 俺のハンマー
ピトンの歌声 聞かせてくれ
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原詩:ロジエ・デプラ 訳詩:深田久弥 作曲:西前四郎
リンクコード:https://www.uta-net.com/song/142513/
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中学の時、英語の先生がこの歌を教えてくれた。その先生の影響で登山を覚えた。登山歴は短いが結構いろいろな山を歩いた。最初の頃は仲間と登っていたが、次第に単独行が多くなった。「単独登攀」(たんどくとうはん:一人登山)と言う本を読んでその影響もあるが、一人旅の方が気楽であった。
「単独登攀」で紹介されていた登山家の名前はもう思い出せないが、アルプスを一人で踏破し続けた。健脚で誰もその後をついていけなかったという。若き頃の、私の「英雄」みたいなものだった。・・・・・・
山行の準備をしているとき、母が傍にいて「つぎの当てた靴下は靴ずれを起こすんだろう、新しいのにしなさい」と忠告した。いつの間にか、私の読んでいた、登山心得の本を読んでいたのである。
多分、私が山へでかけ、帰って來る迄案じていたのだろう。
それにしても、一度も登山を止めたことはなかった。・・・・
もう登山は出来ない年齢になってしまったが、あの、わくわく感は忘れられない。・・・・・
それでも、ちょっとした山には行けないかな?・・・と・・・
考えただけでもわくわくする。山にはそんな魅力がまだある。