イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

2月5日(金):惜しみなく注ぐ愛

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最後の晩餐

ベタニヤでイエスに油を注ぎかけた話は、マタイの福音書のほかにマルコの福音書ヨハネ福音書にも書かれている。マルコの記録はマタイとほとんど同じであるが、ヨハネは、イエスに油を注いだ女はマルタとラザロの姉妹マリヤだと言っている。ルカはこの物語を記録していないが、パリサイ人シモンの家でイエスに油を注いだ話を載せている。(ルカ7:36~50)。しかしルカの福音書に出てくる、イエスの足に油をぬって髪の毛でふいた女は、罪人として知れわたっていた女であった。ルカが記すこの女と、マタイ、マルコ、ヨハネが記す女は同一人物であるかということについては、いまだに種々の論議がなされてきた。・・・・・

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いずれの場合も主人役はシモンであるが、ルカの福音書のシモンはパリサイ人で、マタイとマルコの福音書のシモンはらい病人である。ヨハネ福音書には主人役の名前が書かれていないが、文脈から察すると、マルタ、マリヤ、ラザロの家で起こったように思われる。シモンは平凡な名前で、新約聖書には少なくとも10人のシモンが出てくる。ルカの福音書に記されている女は名の知られた罪人であるが、ベタニヤのマリヤはそのような女だとは考えられないので、ルカの福音書と他の福音書に記されている女が同一人物であるとは思えない。しかし、マリヤがあれほど心を傾けてイエスを愛したのは、イエスによって罪の深みから救いだされたからかも知れない。そこで、ルカの福音書と他の福音書に記されている話が同一であると断定できないが、同一でないとも断定できない。それはともかくとして、この話はイエスが言われたように、美しく、しかもその中にいくつかの尊い真理が含まれている。・・・・・・・

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この女は、一番尊いものをイエスに注いだ。ユダヤの女は香油を非常に大事にした。多くの女は香油を入れた石膏の小さなつぼを首にかけていた。この香油は非常に高価で、マルコとヨハネ福音書では、弟子たちがこの香油を300デナリに売れると言っている。1デナリはおよそ労働者の一日の賃金に相当し、労働者の一年分の賃金に相当する。この女がイエスに注ぎかけた香油は、彼女の持っていたものの中で最も高価であり、高価であるゆえにイエスにささげたのである。愛は計算を度外視する。愛は体裁を保つための最小限のおくりものは何かなど考えない。愛は最大限に与え、すべてをあたえたあとで、なお足りなく思う。人の尊敬を失わない程度に、最小限にキリストと教会にささげるにはどうしたらよいかなどと考える者はクリスチャンということはできない。・・・・・

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普通に我々がこの話を読むとき、この女のしたことは、常識を超えているように思われる。当然弟子たちも憤慨した。8節にこう書かれている・・

「何のために、こんな無駄なことをするのか。この香油なら、高く売れて、貧しい人たちに施しができるのに」・・・・・・・

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常識が通用しない場合がある。常識の世界と、愛の世界とは非常に異なる。常識の世界は慎重さが支配し。愛の世界は心が支配する。この世ではたいていの場合常識が通用するが、時には愛の世界を満たすために愛の浪費が必要とする場合もある。容易に与えることの出来るものは本当のおくりものではない。犠牲を払い、自分の限界をはるかに越えたおくりものが真実のおくりものなのである。・・・・・・・

弟子たちは貧しい人々を助けたいと思っていた。ラビたちは、「貧しい人はいつでもいるから、よいことをする機会はいつでも神から与えられている」と言った。世の中には、何時でもできることと、たった一回しかできないことがある。もしこの一回の機会をのがせば、二度と同じ機会に巡り合わない。我々は何か親切をしたいと感じながら、それを実行しない場合が多い。一度のがすと同じ場合、同じ人、同じ時、同じ感動は再び戻っては来ない。多くの人は良いことをする機会を失ったために、人生を悲劇に終わらせている。・・・・・

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美しい行為は数が少ない。それだけにくらい世界に明るく輝く。イエスのご生涯の終幕は、憎悪、裏切り、陰謀、悲劇の連続であっただけに、この話は、暗さを増す闇の中で光のオアシスのように輝く。美しい行為を人の記憶に残して行くのは、尊い事である。(ウイリアムバークレー

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エスは言われた「まことに、あなたがたに告げます。世界中のどこでででも、この福音が述べ伝えられる所なら、この人のしたことも語られて、

この人の記念となるでしょう」イエスのこの言葉は今の時代に残されている。世界中で多分、二千年を経た今日も、どこかでこの女のしたことが、語られているだろう。そして、マリヤにならい多くの女性たちが、今なお同じ心をもって、主に仕えていることも事実である。この美しい物語は永遠に語りつがれる。主の、お言葉の通りに・・・・・・

下世話な話になるが、ここ二日三日、森元首相の女性に関する発言が、やり玉に上がっている曰く「女の多い委員会は、時間がかかる云々・・・」

という発言に猛反発の女性たち。しかし、多分。森さんのいうことはもっともなことも事実である。あのマリヤは、一言も言葉を発していない。しかし、彼女の名は燦然と輝いている。

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厳しい寒さも峠をこえた。今日は比較的暖かかった。猫のアルが、私のベッドに粗相をした。ちえこが叱りつけると。奴はニャンとも口をきかない。意地比べが始まって、双方口をきかない。冷戦がおよそ一日続いた。

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雪景色もそろそろ、終わりころ・・・・朝のマルの散歩30分。他うちに籠りっぱなし。この頃あいつ、寝言を言う。

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なんか音楽でも聴きたい気分・・小屋にほっぽってあるステレオ出してみるか。