イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

9月14日(水):福音書の紋章

四つの福音書はそれぞれ独自の観点から書かれている。四福音書著者の像を描いたステンドグラスをよく見かけるが、普通おのおのの像に、ある印がつけられている。その印はいろいろあるが、一番よく見かける配分は次のようなものである。・・・・・・

マルコの紋章は人間である。マルコは福音書の中で最も簡潔率直である。しばしばその性格はリアリズムだと言われている。それはほとんど、イエスの生涯に関する報告書に近い。・・・・・・・・

マタイの紋章は獅子である。マタイはもっぱらユダヤ人のために書いたユダヤ人の著者であり、イエスの中にメシアを見ていたが、そのメシアとは、すべてのユダや人が預言していたユダ族のあの(獅子)にほかならない。・・・・・・・・

ヨハネの紋章は鷲であった。鷲は他のどの鳥よりも高く飛ぶことができる。あらゆる被造物の中で、鷲だけが太陽を直視することができると言われている。ヨハネは神学的福音書である。その高遠な思想は、他の追従をゆるさない。哲学者が、この福音書の提出している主題をきわめるには、一生かかってもまだ足りない。・・・・・・・・

ルカの紋章は子牛である。子牛は犠牲に供せられる動物である。実際ルカは、イエスの中に全世界を贖う犠牲を見たのである。なかんずくルカにおいて、障壁はとりこわされている。イエスを前にしては、もはやユダヤ人と異邦人、聖人と罪人の区別はない。彼は世界の救い主を書いた。・・・・・・・