イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

3月31日(火):落下傘部隊

 

f:id:dotadotayocchan:20201118160515j:plain


軍隊には必ず落下傘(空挺)部隊がある。対峙する敵の背後に降下し敵軍を攪乱する部隊である。少数精鋭で、兵隊さんにとって花形なのである。それだけに誰でも空挺隊員になれるわけではない。隊員は全て志願兵で、選抜され、厳しい訓練によく耐え得た者だけが晴れて胸に落下傘のマークのついた金バッチを着けることができるのである。・・・ところが、地上での訓練を終え、実際飛行機に乗り、初めて降下する時、直前さしもの強者たちも必ず後悔するという。「あぁ、俺はなんて馬鹿な志願をしたのだろう」と。思うという。それもそのはず、開けはなたれた航空機のドアから数百メートルの眼下の地上を見る時、だれでもそう思うだろう。足がすくむのである。

☆☆☆新米の空挺隊員ではないけれど、主日の礼拝説教をするとき、私もまた「あぁ、なんでこんな志願兵になってしまったのだろう・・・」と想うこともある。余り良い表現ではないが

「乞食坊主と平信徒」は三日やったらやめられない。多少自虐的きらいがない訳ではないが、60歳を過ぎると、勝負あったなとおもってしまう。これ以上どうあがいてもどうにもならない事が分かってしまう。なにも、牧師なんぞにならなくても、日曜ごとに礼拝に出席し、コックリ、コックリ居眠りしていても、主はさほどお叱りにならないだろうに・・・・

☆☆☆昔自衛隊にいたとき、空挺隊員の募集があった。上官に志願したいと伝えた。後日、飛行隊長から呼び出しがあった。

「三浦士長、君を空挺隊に推薦しない。理由その1、君は夜間大学に通学中である。まずは、その学業に専念しなさい。理由その2、君は先の陸曹昇進試験に合格していながら、学生であることで辞退した。辻褄が合うまい。理由その3、君は赤緑色弱で、そこで振り落とされる可能性がある。以上」。まことに理路整然として、ぐうの音もでない。直立不動、啓礼をして隊長室を辞した。高橋信行一尉(大尉)。今もその名を忘れない。「特攻隊の生き残り」がうらうらと仙台の上空を飛んでいた時代のことである。

f:id:dotadotayocchan:20200331073248j:plain

 

 

f:id:dotadotayocchan:20200401070505j:plain

f:id:dotadotayocchan:20201118160515j:plain