★・・二種の人々があるだけである。一は、自分が罪人だと思っている義人、他は、自分を義人だと思っている罪人。【534】
★・・ひとりの人を聖徒 にするには、恩寵というものがぜひとも必要である。それを疑う人は、聖徒のなんであるかも、人間の何であるかも知らない人である。【508】
★・・各人は自分のように神をつくる。【258】
★・・わずかなことがわれわれをなぐさめるのは、わずかなことがわれわれをなやますからである。【136】
★・・自分の悲惨さを知らずに神を知ることは、高慢うみだす。神を知らずに自分の悲惨さを知ることは、絶望をうみだす。イエス・キリストを知ることは中間をとらせる。なぜなら、かれにおいてわれわれは神とわれわれの悲惨とを見いだすからである。【527】
★・・『もしおまえが自分の罪を知ったならば、おまえは気をうしなうことであろう』・・・「そしたら、主よ、わたしは気をうしなうでありましょう。わたしはあなたの証言によって、わたしの罪は邪悪だと思うからです」・・・『気をうしなってはならない。なぜなら、おまえにそれを知らせるわたしはおまえをいやすことができるからである。またわたしがおまえにそれを告げるのは、わたしがおまえをいやそうとしているしるしである』【553】
★・・(従順)あまりに従順だというの理由で、人々を責めなければならに場合も、まれではない。それは、不信仰と同様に、自然な悪徳であり、しかも有害である。【254】
★・・(信仰)真のキリスト者は少ないと、信仰についてさえ、わたしは言う。信じている人々は多いが、迷信によってである。信じていない人々も多いが、わがままによってである。両者のあいだにある者は少ない。
【256】
★・・(回心)人はしばしば自分の想像を心情ととりちがえる。そして、
回心しようと考えるやいなや、回心したと信じ込む。【275】
★・・(むなしさ)この世の空しさを悟らない人は、その人自身がむなしいのだ。【164】
★・・(栄誉)栄誉の魅力はたいしたもので、それがついているものなら、死さえも、人は好む。【158】
パスカルの瞑想録を読んだのは、随分昔になるが、いまだに全部は読み切れていない。天才の思考にはなかなかついて行けず、辛うじて理解できるいくつかの、断章を載せてみた。これまで、パスカルに関することは、4月22日、聖なるいばらの奇跡、7月1日、いとなみはとぎれたままに、と他に二回載せてきた。