イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

8月29日(月):アブラハムの召命(伝説)

アブラハムの召命に関する記事は、創世記12章1節に、素朴に、しかし劇的に書かれている。アブラハムについてはユダヤにも、東方の国々にも種々の伝説があり、アブラハムの物語に色彩を添えているが、著者おそらくそれらの伝説を知っていたのであろう。これらの伝説は、ニムロデの軍隊を指揮していたテラの息子、アブラハムについて次のように記している。

アブラハムが生まれたときに、一つの非常に明るい星が現れて、他の星の光りを消してしまった。ニムロデは生まれたばかりのアブラハムを殺そうとしたが、誰かが洞窟に隠して難をまぬがれさせた。この洞窟の中で、彼は最初に神の幻を見た。成人して彼が洞窟を出て砂漠を見渡したとき、太陽が輝かしく昇っていた。そこで彼は日座間づいて太陽を拝んだ。ところが夕方になると、その太陽が西に沈んでしまったので、アブラハムは「天地の創造主が沈むはずがない」と言った。やがて月が東から昇り、星が現れた。アブラハムは「月こそ神に違いない、星は神の従者だ」と言ってひざまづいて拝んだ。ところが夜がすぎると、月が沈んで再び太陽が昇った。そこでアブラハムは言った。「法則に従う天体は神ではない」わたしはこの法則を支配している神を信じよう」