イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

11月26日(土):天使 Ⅱ ビリー・グラハム

朝鮮戦争の間、私がアメリカ軍を訪問した時、第一師団に属する海兵隊の小グループから、こんな話を聞いた。彼らは北部で敵の策略に陥っていた。零下二十度の寒さの中で死ぬばかりであった。しかも、六日間何も食べていなかった。中共軍に降伏するのが、彼らの生き残るための唯一の選択であるように思われた。ところが、彼らのうちの一人のクリスチャンが、ある聖句を指し示し、仲間に向かって神への賛美の歌を歌おうと言った。歌い終わるやいなや、彼らはすさまじい物音を聞いた。見ると一匹のイノシシが彼らの方へ突進してくる。彼らは飛びのいて避けようとしたが、イノシシは突然止まった。兵隊の一人がライフルを構えて撃とうとしたが、発砲する前にそのイノシシは何故かよろめいて倒れて死んでしまった。その夜、彼らは久しぶりに肉を食べて元気を取り戻した。・・・・・・・・

 次の朝、ちょうど太陽が昇ろうとしているとき、彼らはまた別の物音を聞いた。中共の巡視隊が自分たちを発見したのではないかという危惧はすぐに消え去った。というのは、英語を話すことの出来る一人の南朝鮮人が目の前に立っていたからである。その人は、「私が道案内しましょう」と言って、森や山を通り抜け、彼らを無事に味方の陣地まで案内してくれたのであった。彼らが礼を言おうとして捜したとき、その南朝鮮人の姿は見えなくなっていた。・・・・・・・