イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

5月22日(月):北欧の杜

北秋田市は今から数十年前、昭和の市町村合併により、鷹巣盆地を中心に十幾つかの町村が合併してできた「市」である。鷹巣町は人口16,000、合併して4万人の市となった。米内沢町もその時から、北秋田市に含まれるようになった。その米内沢町に行くには当時はまだ道路が整備されておらず、ひどく曲がりくねった峠道を通らなければならなかった。夫々が昔から独立した町や村で、相互の交流はほとんどなかった。・・

戦前のことであるらしいが、その米内沢町で、町長をしておられた、Kと言う人がおられた。その方に、二人の息子さんと、一人、娘さんがおられた、私たちが、北欧の杜と言う所で、朝のウォーキングをしている時に、その人たちと知り合いになった、その人たちも、同じ北欧の杜を散歩していて、それとなく話しかけ、知り合いになった。

長男が耕一さん、次男が、拓二、長女が綾子さんと言う。長女は仙台に嫁いで、ルーテルの教会の信徒さんである。父親のKと言う人は、クリスチャンであったという、しかもその米内沢町では初めての、ただ一人のクリスチャンであったということである。そんな事情もあって、かの人たちと、折にふれ何かとお付き合いをして来た。ところが、綾子さんを除いて、息子さんたちは、父親からの信仰を受け継いでいなかった。・・・

戦前の町長と言えば、その地域ではそれなりの人しかなれないのが、普通である。また、それなりの「家」であったものと思われるが、詳しくは話を聞いたことはなかったが、父親のK氏は、「追放」になったらしい。宮沢賢治の雨にも負け負けず、のモデル、に似ている話であるが、いずれにせよ、詳しいことは彼らは語らなかった。・・

長男、耕一さんは今年92歳、次男は拓二さんは昨年亡くなった。私の教会の伝道会に一度顔を出したが、続かなかった。綾子さんが、そのことを気にして、高齢の兄夫婦に是非信仰を持ってもらいたくて、手紙などを書いてるがおもわしくない。自分は、足が不自由で、仙台からは来れないから、私たちに訪問して欲しいとのことであった。それに、長男の奥さん「厚子」さんが、膵臓癌で、余命幾許もない、とのこと。・・・・・

午前中訪問してきた。厚子さん、随分やつれていた。背の高い、、背筋のしっかりした女性だったのだが、ようやく立っているという感じだった、手芸が得意で、いろいろ作っては、訪問する度にいただいてきた。とても手先が器用で、「道の駅」などへ出品したら?。などと勧めたこともあったが、・・・・

 

北欧の杜でルカ