イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

9月8日(火):トマス行伝

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現在我々が持っている聖書のほかに、「正典」と認定されなかった多くの文書がある。いわゆる、「聖書外典偽典」とよばれるものである。旧約聖書外典偽典、新約聖書外典偽典がある。

昔、教文館から、それらが7巻のシリーズとして出版された。

1976年に初版が出された。えらく立派な本で、高価なものだった。

45年くらい前でも、一冊3000円もした。7巻全部揃えたかったが、私が辛うじて買えたのは「新約外典儀典Ⅱ」のみの一冊だけであった。あれを7巻揃えたら、どんなに良かったろうと悔やむばかりである。・・・・・・・

その中に、ペテロ行伝、などと共に、トマス行伝というのが載っている。もとより伝聞、言い伝えをもとにしたものであるから

信憑性はないが、イエスの去った後の弟子たちの働きがどういうものであったか、ということを「物語的に」教えてくれる。

エスの死後、弟子たちの間で世界を区分し、それに従って、それぞれの国に福音を伝える為に、出て行くことになった。くじを引いたところ、トマスはインドに当たった。最初トマスは行くことを拒んだ。「自分はそんな遠くへ行くほど強健ではない、ましてへブル人で、どうしてインド人の中で宣教できるのか」と言い張った。そんなある夜、イエスが彼のところに現れた。・・・

『恐れるな、トマス、インドへ行って、そこでみ言葉を伝えなさい。わたしの恵みがあなたと共にあるのだから」。しかし、トマスは強情に拒んでいた。「あなたのおつかわしなるところなら、どこへでも参ります。ただ、インドだけは行きたくありません」

すると、たまたま、アバネスという商人がインドからエルサレムにやって来た。彼は腕利きの大工を見つけて、インドに連れてくるようにインドの王によって派遣されていたのである。トマスは大工だった。イエスが市場にいるアバネスところへ来て、彼に言った。「大工を買いたいのかね?」「ええ、」とアバネスは答えた。「わたしに大工の奴隷がいて、売りに出したいのだが」とイエスは遠くにいるトマスを指さして言った。そこで二人は価格を決めて、トマスは売られた。契約書にはこう書かれていた。

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(大工ヨセフの子である私方イエスは、トマスという名の私の奴隷を、インドの王の商人アバネスに、売ったことを認める)

こうして、アバネスはトマスをインドへ連れていって、事の次第を王に伝えた。それを聞いて、インドの王は、その大工に、神殿を建てさせよ、と命じた。神殿建設のための費用を与えたが、

トマスはそのお金を全部貧民に施してしまった。インドの王は度々使いを出して、何時神殿が建つのか問い質した。「あなた様は、ただいまそれを見ることは出来ません。あなた様が死んでから、ご覧になれるでしょう」。そのうち、ついに真相が明らかになった。王は激怒し、トマスの命も危険になった。・・・・・

エスは、トマスを死なせるためにインドへ派遣したのではなかった。インドの王もついに、キリストに捕らえられキリスト者となった。こうして、トマスは、インドにキリスト教をもたらしたのであった。・・・

この物語は、偽典にある伝説であることは確かなのだが、南インドにトマス教会がある。そのトマス教会は、トマスにさかのぼるということは、かなりの確実性があることは確かなことである。

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今日は、美穂子さんが来て、共にお祈りをした。何処の職場も人手が足りず、負担は増すばかり、介護施設は特に苦労が多い。主の守りがある様に。・・・・・・