イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

12月9日(水):エジプトへ

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古代の人たちは、神が夢の中で人に語ると信じていた。ヨセフは夢の中で、エジプトへ逃れ、ヘロデの殺害をさけるようにと指示を受けた。このエジプトへの逃避は極めて自然なことであった。イエスの誕生以前の波乱の多い数世紀に、ユダヤ人は、危険、圧制、迫害のために脅威を感じると、エジプトへ逃れた。そのため、エジプトの都市にはどこにでもユダヤ移民がいて、アレキサンドリア市ではユダヤ人の人口は百万以上に上り、都市のある部分は完全にユダヤ人のものとなっていた。ヨセフが身の危険を感じた時に、ユダヤ人の先例にならったのである。ヨセフとマリヤは、エジプトで異国人ばかりの間に暮らしたわけではなかった。エジプトの町や村には、どこにもユダヤ人の避難民が住んでいたからである。・・・・

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面白いことに後年、キリスト教に反対し、イエスに敵対した者たちは、イエスのエジプト滞在を攻撃の材料にしている。エジプトは、魔術、魔法、奇跡の国として知れ渡っていた。タルムード(ユダヤ教法典)は「10の魔術が天から下ったとき、エジプトは9を受け世界の他の国々は1を受けた」と書いている。そこでイエスの敵は、イエスがエジプト滞在中に学んだ魔術、奇術で奇跡を行い、人を騙すのだと触れ回った。異教徒の哲学者ケルススは、三世紀にキリスト教を糾弾して、「イエスは私生児として育ち、エジプトで雇人として働き、ある種の魔術を学んで本国へ帰り、この魔術を使って」自分は神だと宣言した」(オリゲネス「ケルスス排撃」)と言ったが、この非難攻撃はオリゲネスによって論破された。・・・・

ユダヤ人のラビのある者は、「イエスは呪文をわすれない様にと、身体にいれずみで彫り込んでいると言った。悪意ある人たちは、エジプト逃避に関連してこのような中傷をこころみたが、これらは明らかな誤りである。イエスは生まれて間もなくエジプトに連れて行かれ、まだ幼いうちに連れ戻されたのである。・・・・・・

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新約聖書の伝説として、エジプト逃避についての二つの美しい物語がある。最初の物語は、悔い改めた強盗についてである。その強盗はディスマスという名前で、カルバリでイエスと共に十字架にかかる以前に、イエスに会っているという。ヨセフとマリヤがエジプトへ逃れる途中、強盗に襲われた。その強盗の首領は、その場で二人を殺して僅かばかりの携帯品を奪おうとしたが、強盗の一人でであるディスマスは、幼子を見て不思議に心を動かされ、イエスとその両親に危害を加えさせなかった。そして、イエスを見て、「あぁ、子供たちの中で最も祝福された者よ。もし私にあわれみをかけてくださるときが来たら、わたしを覚えていてください。このことを忘れないでください」と言った。イエスとディスマスは再びカルバリで出会い、ディスマスは十字架上でゆるしを受け、神の恵みを経験したのである。・・・・・・・

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もう一つの伝説は幼子に関するもので、非常に美しい。マリヤとヨセフとイエスがエジプトへ行く途中、日が暮れ、疲れ果てて、洞窟の中で休息をすることになった。寒い夜で、あたり一面霜で真っ白であった。小さな蜘蛛が、幼子イエスを見て、寒い夜をなんとかしてあったかく過ごさせたいと願い、蜘蛛にできるたった一つのことをしようと決心した。それは洞窟の入り口に巣をかけて幕を張る事であった。やがてヘロデのつかわした兵士たちが来た。子供を探し出し、殺して、ヘロデへ差し出すためであった。洞窟の前に来た。兵士たちは洞窟の中を調べようとしたが、このとき小隊長は、霜のように白い蜘蛛の巣が洞窟の入り口にはりめぐらされているのを見て、言った「見なさい、蜘蛛の巣がある破れていないから、穴の中には誰もいないはずだ。もし誰かが入ったら、蜘蛛の巣は破れているはずだ」こうして兵士たちは通り過ぎていき、聖家族は無事であった。小さな蜘蛛が入り口に巣をかけたからからであった。今でもクリスマス・ツリーに銀の糸をかけるのは、キラキラ光る銀の糸が、エジプトへ通じる道のほとり、洞窟の入り口にかれられた霜で白い蜘蛛の巣をあらわしているからだという。

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これは美しい物語であるが、一つの真理をも示している。

それは、イエスのみ前にはすべての贈り物が覚えられているということである。

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今日、心待ちにしていたかお子さんからの、サツマイモが届いた。贈答品用らしく、一つ一つ丁寧に梱包されていて、おいしそうだった。が、明日の朝に食べよう。明日は、青森の義姉を見舞う。誤嚥から肺炎を起こし、危うい状態だ。胃瘻はしないように、忠告していたのだが、止むを得ず、胃瘻にしたがそれでも、体力が限界らしい、電話が鳴る度びくびくしていたが、明日行って見ることにした。マチコさんから電話があった。経過報告のようで、こちらも大変だ。あの娘も苦労が絶えないなぁ~・・・

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今日のお話、感動しちゃった・・これは作り話だけど、実際にもっと奇妙なことがいっぱいあるよ