人類は神と交わるために創造されました。神は、ご自分のかたちに似せて人間を造られました。それは、人間が神を知り、神を喜ぶためであり、神のみこころの中に入って、神の栄光を喜ぶ者となるためです。神は何処にもおられ、また、すべてのものに満ちわたっておられる方ですから、人間は、どんな仕事に携わるとしても、その所で、破れることのない交わりを楽しんで生きることが出来たでしょう。・・・・・・
しかし、罪が私たちからこの交わりを奪いました。 神との全き交わりの他に、人の側も神の側も満足させることができるものは何もありません。 この交わりの回復のためにキリストは来られたのです。 キリストは、ご自身の失われた被造物を神に返し、その被造物を、そのためにその被造物が創造された状態（神との交わりの状態）に返すために来られたのです。 神との交わりこそ、天におけると同様に、地上の祝福のクライマックスです。 それは、非常にしばしば与えられる神の約束・・・わたしは、あなたとともにいよう。 わたしはあなたを見放さず、あなたを見捨てないという約束・・・が全き経験となって後にもたらされます。 その時、私たちは、父なる神が常にともにおられるということができるのです。・・・
・・・中略・・・
クリスチャンよ、あなたは密室の中で恐るべき危険にさらされています。
あなたは、祈りや聖書研究を、神との生ける交わりの代用にする危険にさらされているのです。あなたは、神に、あなたの愛、あなたの心、あなたのいのちを与え、神から御霊を受けるという、生きた交換を失ってしまうことがあり得るのです。あなたの必要の表現・・・つつましく、熱心に、信じて祈りたいというあなたの願い・・・が、これ以上ないほどにあなたを占領してしまい、神の臨在の光や神の愛の喜びがあなたに入ることが出来ないかも知れません。あなたの聖書研究が非常に興味を持たせ、きわめて楽しい宗教的感情を起こさせるので、神の言葉そのものが神ご自身の代用となるかも知れません。これは、交わりの最大の障害でしょう。それは、たましいを神御自身に導く代わりに、神の言葉によって占領された状態にしてしまうからです。そして、持続的な交わりの力なしに、その日の仕事に出て行くことになるでしょう。なぜなら、朝のデボーションで、祝福を受けなかったからです。・・・・・・・・・
もし密室で、神と共に一日中歩みたいということ、朝の時間が、父なる神と私が、かくあるべしという明確な合意に達する時であるということに、他のすべてのことが従属せしめられるなら、何という相違が多くの人々の生活にもたらされることでしょう。神は私たちを引き受けて下さり、ご自身が私と共にいてくださる。私は終日神の力のうちにあってみこころを行おうとしている。どんなことが起ろうと私たちには全て備えがある。・・
このような自覚によって、なんという大きな力が与えられることでしょう。そうです。もし私が、ひそかな祈りに、新しい感覚や光や力などを求めるだけでなく、一日のために、私の生活が力強く誠実な神の確実安全な守りのうちにおかれることを求めるなら、生活はいかに高貴なものとなることでしょう。・・・・・・・
「隠れた所にあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れた所で見ておられるあなたの父が、あなたに報いてくださいます」霊とまことによって神とのひそかな交わりを保っているなら、人々の前での公の生活は、それ自体の報いをもたらすでしょう。隠れた所で見ておられる父なる神は引き受けて下さり、はっきり報いを与えてくださいます。人々から離れて一人神と共にあること・・・これが、神の祝福の力の中にあって他のひとと共に生きる、確実なただ一つの方法でなのです。
