イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

5月19日(水):人間の道理 まとめ

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曽野綾子氏の「人間の道理」というものを5回にわたって、掲載してきた。短い文章だったので書くのに楽だったこともあるが、物事の本質的部分が書かれていて、いわゆる「歯に衣を着せぬ」ところがいつもの通りであった。小説家だというが、どうしたわけか、彼女の本は一冊も読んでいない。随筆めいたものを数冊読んでいるだけである。夫君は三浦朱門氏、この方の本も読んでいない。それでもこのご夫婦を知っているのは、遠藤周作氏によることが多い。彼はネタバラシが得意なようで、こんな出来事をどこかで書いていた。・・・・・

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朱門さんが、小説を書いていたのだが、はたと困ったことが起った。若い男女がモーテルへ行く場面なのだが、何せ、朱門さんは、モーテルものなるところへ一度も行ったことがない。それではそんな場面を書くことは出来ない。そこで綾子夫人に、「お願い、何もしないから、モーテルへ一緒に行ってくれないか」と頼んだのだそうである。そのあとどうなったかまでは、周作さんも語っていないが、さぁ、どうなったのかねぇ。聞くこともできない。・・・・・・・・

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人間の道理は、当たり前のことを書いているのだが、今の社会の持ついびつさを、書き記している。しかし、そのことが当たり前と感じない今の社会への、穏やかな、アイロニーが含まれているように思える。

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