ある教会に、若い女性伝道師が遣わされて来た。あえて名前は伏せるが、着任の挨拶をしてから彼女は、お祈りしましょうかと言って、牧師と二人でお祈りしたそうである。・・・・彼女はこう祈ったそうである。「・・・主よ、このうすぼんやりした牧師をどうぞお許しください・・・」。才気煥発というか、元気溌剌とした伝道師の目には、この牧師があまりにも「うすぼんやり」にみえたのであろう。☆ ☆ ☆
古代エジプトの文字を解読したら、「今どきの若者は・・・」
と読めたそうである。三千数百年前も、年寄りには若者は頼りなく、未熟にみえたのであろう。どうやら、この世代間の思惑のずれは人間社会が始まって以来らしい。「うすぼんやり」も「今どきの若者」も結局はいつの時代にあったようである。
こんな事を書いていると、私にもかの若き伝道師のような時代もあったし、今はいまで、誰も口には出さないが（ちえ子だけは小うるさいが）私もまたうすぼんやりしている牧師に過ぎないのだろうと、反省することしきりである。
