イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

8月17日(火):ユダヤ民族のチャンピオン (2)

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「おおよそ400人の人々が彼と共にあった」

みじめな逃亡者になってさえも、ダビデの人望はおとろえなかった。人柄のよさがしのばれる。しかし、サウルの勢力にはとても対抗できるものではなかったので、一族のものたちと共に荒野を逃げ回っり、洞穴に身をひそめたりした。・・・・・

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ところがある時、偶然にも、ダビデの隠れているほら穴の中に、それとは知らずにサウルがのこのこ入って来た。絶好のチャンスだ!!!。サウルは暗闇に目を奪われて、何も気づいていない。ダビデの部下たちは、ダビデのそばにすり寄って来て、「神があなたの敵をあなたにわたしてくれたのです」とささやき、サウルのうしろからおそいかかろうとした。しかし、ダビデは彼らをおさえ、「サウルは神の命によって王位についた人である。サウルを殺すのは、神のこころざしに反する」と言って、サウルの上着のすそをひそかに切り取っただけで、いのちにまで害を及ぼそうとしなかった。そんなこととは知らず、サウルが洞穴から出て行った時、ダビデはうしろから呼びかけながら悲痛な口調で叫んだ。「あなたの上着のすそは、私の手にあります。私があなたの上着のすそをひそかに切り取っただけです。けれども、私はあなたを殺さなかった。あなたは、私の手に悪もとがもないことを見て知られるでしょう。あなたは私の命を取ろうとして、ねらっていますが、私はあなたに対して罪を犯したことはないのです」(サムエル記上24章)これを聞いてサウルは深く恥、泣いてダビデに詫びた。・・・・・・・

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しかし、時がたつにつれ、サウルは再びダビデの命を狙うようになった。

彼はペリシテ人との戦いに敗れて悲惨な自殺するまで、ダビデを目の敵にし続けたのである。ダビデのとびぬけた人望や人柄が、サウルには心底妬ましかったのであろう。・・・ サウルの死後も、サウルの残党とダビデの戦いは久しく続いた。が、やがてダビデは圧倒的優位をしめ、ついに30歳の時に神からの指名を受けて王位につき、その後40年に渡って全イスラエルを治めるに至った。・・・・・ 彼はユダヤ人から「メシア」救世主として仰がれるだけあって、「すべてに正義と公平をおこなった」偉大な王であった。神への信仰もあつく、とくに政治家としては天才的な能力を備えていた。彼はエルサレムに都を定め、ここを拠点として軍を起こして勢力を広げ、イスラエル民族最大の王国をつくりあげた。

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