イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

11月3日(水):死刑制度について

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先日図書館から借りてきた本「死刑」(読売新聞社社会部)をざっと眺めてみた。死刑に関する本は別に一冊持っている。これは古来からの死刑の方法と、種類、変遷について書かれてあるが、余り読みたくもなかった本であるが、どうも、「歌人島秋人の、遺愛集」を読んで以来、「死刑」制度について考えるようになった。しかし、いろいろな事柄について、私の考え方は、余りぶれることはないのだが、この制度の是非についてはいつも考え方がぶれてしまう。昼と夜、朝と夕、考えがころころと変わってしまう。極悪犯罪をマスコミに載ると、「そんな非道な人間は死刑にせよ」と考え、刑務所で改悛の情を示している者をみると、今度は助けてやれ、と思ってしまう。とにかく、この制度については、これまで、一定のゆるがぬ見解を持ったことがない。・・・・・・・

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聖徳太子がその憲法18条の初めに、「和を以て尊しと為す」と定め、その200年後、日本の国から「死刑」を廃止した。1200年も前のことであり、驚くべきことに確か、347年間、日本に死刑と言いうものがなかった。武家の時代になり、荒くれどもが、死刑を復活させたが、それが連綿と続いて今日に至っている。アメリカでも近年、死刑を廃止する州もあり、フランスもあのおぞましい、ギロチンを止めた。他はわからないが、死刑廃止は世界的流れなのかも知れない。・・・・・・・・

加害者の家族の手記、被害者の家族の手記、死刑囚の手記、を読むと、気持ちがぐらぐらと揺れ動く。聖徳太子の理想はいつ実現されるのだろう。

『官は自らの行いによって、民を徳化すべし』

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