イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

10月22日(土):蛇のようにさとく

『いいですか。わたしが、あなた方を遣わすのは、狼の中に羊を送り出すようなものです。ですから、蛇のようにさとく、鳩のようにすなおでありなさい』マタイ:10;16

マタイは大切なイエスの言葉を残しておいてくれた。この一週間、心の内に反芻し続けていた。そもそも、破産会社から、資材を自分のところに運びこむことは、当該会社に債権がある者たちにとっては、「不法行為」にあたる。ただ、破産管財人が帳簿に載せていない物の処理は、いわゆる「グレーゾーン」という事になる。社長が許可すれば、運びだしてもいい、という解釈も成り立つ。若い頃、金融会社に7年余務めた。貸金の返済ができなくなった時、やむなく、財産の強制執行を行う。債務者がそれを察知して、重要な財産を隠蔽した時、「阻害行為」として、刑事罰の対象になる。今、自分がやっていることは、ギリ、ギリ、のところである。もとより誰も問題視しないだろうけど、厳密に法的解釈からすれば、そういうことになる。

 それでもこれらのことを行って来たのは。「蛇のようにさとく」したまでである。先にも書いたかも知れないが、管財人の帳簿に載ったものは、すべて会社の負債の弁済に充てられる。従って、社長には、会社の財産が処分されても、一円の還付もされない。そこで思いついたのが、今度の私たちのとった策である。出来るだけ多くの資材を、自分たちで買って、それを、社長に支払う。ただし、それにも限界があるが、この一週間、できる限りのものを運び込んだ。支払った金額は50万足らずであったが、実際に見積もってみると、200万くらいの価値はありそうだ、私も、はっきり言えば、買い叩いたというべきかも知れないが、元々、社長に当座の資金を援助することを考えていたので、不要なものまで、もって来たので、「忸怩」たる思いもあるが、そこは、上のみことばに頼って、物事を処理した。

 蛇のようにさとく、事をなしたが、鳩のようにすなおでありなさい。とのお言葉に対しては、これらすべてが、会堂建設という、動機に基づいてなしたことである。これらの結論が出るのは、もう少し先になるであろう。