イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

7月26日(月):あんび餅

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あんび、というのは多分地方によって呼名が違うのだろう。米粉を練ってその生地で餅をつくり、中に粒あんを入れた「お菓子」を、私達は「あんび」と言っている。今でも時々、町の市場でおばぁさんが売っている。・・・・・

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5,6歳の頃、そのあんび餅が一つ道端に落ちていた。どうしてその餅が一個だけそこにあったのか、不思議であったが、私はすかさず拾いあげて、白い小麦粉を払い落とし、食べた。こんな小さな出来事、しかも70年も前のことをいまだに記憶にあるのはどうしたことだろう。そして、時々その記憶がよみがえる時、自分が何とも情けない人間に思えてくるのである。特別精神を病むほどの心の痛さを感じないものの、やはり、せつない気持ちには変わりはない。戦後の食糧難の時代であったとしても、その餅一個を拾ってまで口に入れなければならないほどのひもじさの中にいたわけではない。・・・・・

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私がずっとそのことを気になっていたのは、そこに人間の「品性」に

かかわる事であったかも知れない。盗みをはたらいたわけではない。子共ならだれでも、私のように拾ってその餅を食べたであろう。多分ほかの子供と同じことをしただけなのだろうが、なかなか、自分の記憶から消えることはない。・・・・・・・

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追記:21年7月27日朝・以下の文章を削除した。

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