イミタチオ・クリスティ

村の小さな教会

6月14日(水):オパールの指輪

位置

東洋の古い寓話にこんなものがある。素晴らしいオパールの指輪を持っていた人がいた。誰でもその指輪をはめると、その性質が優しく誠実になり、すべての人に愛された。その指輪は、お守りであった。そして、その指輪は、父から息子に伝えられてきた。その魔法の指輪はいつも効き目があった。その幸運な指輪をの持ち主は、やがて、息子に引き渡すときが来た。しかし、指輪は一つ、息子は三人いた。父親は思案した結果、全く同じ指輪をもう二個つくらせた。・・・・・・

父親は自分の死が近づいたことを悟ると、息子を一人一人枕元に呼んで、愛の言葉を語り、一つづつ指輪を与えた。やがて、父はなくなり、しばらくすると、三人の息子がそれぞれ、同じ、オパールの指輪をしているのに気づいた。息子たちは驚き、騒ぎとなった。そこでこの件は、賢明な裁判官のところへ持ち込まれた。裁判官は、指輪を調べ、沈黙した。やがて彼は言った。「わたしはどれが本当の魔法の指輪かわからない。しかし、あなた方がそれを証明できる」と。「われわれができるですって?」と息子たちは驚いてたずねた。「その通り。なぜなら、もし本当の指輪が、それをはめている者に優しさを与えることが真実ならば、その人の善良な生活によって、わたしも。この町にいる他の人も本当の指輪をはめている人を見分けられるだろう。だからそれぞれ自分の方法でやりなさい。親切、誠実、勇敢、正確でありなさい。これらのことを行った人が本当の指輪の持ち主なのだ」と、裁判官は答えた。・・・・・・・・